2012/02/24

二重瞼


焼菓子の焼ける、甘いにおい。
手足の先が恐ろしいほど冷えている。
足が浮腫んで痛い。
君にはわからないだろう。
目を閉じる。瞼が水分を含んで重たい。
お風呂が沸くのを待っている。
もう泣き顔はうんざりだ。

息を吐き切って仕舞わないとつらい、なんて経験、したことがありますか。
これ以上はもう止そう。
危険すぎる。
足が千切れそうなくらい痛い。
君には、わからないだろうな。

お昼間にかいだヒヤシンスのにおい、
夜の百合に消されてしまった。
それは真っ赤なわたしの髪のにおいかもしれない。


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